相模湖、津久井湖は横浜、川崎、相模原、横須賀など神奈川県の諸都市の貴重な水源ですが、廃水処理は十分ではありません。
神奈川県民の水がめ 相模湖
相模湖・津久井湖の水…横浜市・川崎市・相模原市等の貴重な水源
相模湖、津久井湖は発電、飲料水、工業用水、農業用水、洪水調整などを目的にした人造湖です。相模湖は、横浜・川崎をはじめとする神奈川県の人口が急増し、それまでの相模川水系の上水道だけではまかないきれなくなったのと、昭和12年に始まった日中戦争の軍事需要に対し電力と工業用水を供給するために建造されました。完成は昭和二十二年で有効貯水量は4820万トン、一日に110万トンが取水され、地元相模原市をはじめ横浜・川崎両市を含む県水道および東京都の一部に供給されています。
一方津久井湖は相模湖の完成2,3年後に神奈川県の水不足が深刻になり始めたことから新たなダムを作る必要に迫られ、計画がスタート、昭和37年に着工、40年に完成しました。有効貯水量は5120万トン、一日の最大取水量は129万6千トンで横浜・川崎・横須賀などの各市に供給されています。相模湖、津久井湖の2つの水がめだけで約260万人分の飲料水をまかなっていることになります。
横浜・川崎・相模原市の水道水…水源の状況
相模原市や横浜市・川崎市では水道水の水源の半分近くを相模湖や道志川・津久井湖の水でまかなっています。しかし水源となる地域の排水の処理は十分とは言えず、かなりの量の汚水が水源に流れ込んでいます。
津久井湖の現状 |
相模湖の現状 |
水道水の汚染の原因
水道水の汚染の原因には次の3つがあります。
- 原水に含まれていた汚染物質で取り除けなかった物質(農薬・有機溶剤・合成洗剤などに含まれていた物質CNP(塩化ニトロフェノール),NIP(ニトロフェン),トリクロロエチレン,陰イオン界面活性剤など)。
- 塩素などの消毒液を投入することで化学反応などにより新たに生じた物質。トリハロメタン・TOX(全有機ハロゲン化合物)。
- 複合汚染…上記の汚染物質が複合的に影響しあいながらより大きな被害を与える汚染。単体の汚染は人体に与える影響が計測されているが、複合的な汚染は影響がほとんど知られていない。
水道水の汚染の源泉
工場排水、家庭排水、ゴルフ場開発、農畜産排水、森林破壊など。
上流での産業活動や生活の営みが汚染の原因になります。したがって産業排水や生活排水は十分な浄化が必要です。