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浄化槽所有者の義務

保守点検が大切です

 浄化槽は微生物によって汚水を処理するものですから、微生物が活発に活動できる状況を常に保つ必要があります。個々の浄化槽によって使用人員や使用状況、処理方法も異なり、また、季節によって水温等も異なるので、その状況に応じたメンテナンスを行う必要性があります。浄化槽のいろいろな装置が正しく働いているか点検し、装置や機械の調整・修理、汚泥の状況を確認し、汚泥の引き抜きや清掃時期の判定、消毒剤の補充を行います。

 また点検は化学的なものだけでなく、テスターを使って電圧・電流・抵抗など設備の作動状況の点検も行います。 

この作業を『保守点検』といい、浄化槽の処理方法や規模によって実施しなければならない回数が規定されています。

 
消毒剤
汚泥の調達・移送
ブロワの点検
消毒剤の点検・補充
汚泥の引抜き・移送
ポンプ・ブロワ等の点検
 
浄化槽
水量・水質測定
浄化槽の機能の診断
水量・水質の測定
 

清掃は1年に1回以上必要です

 浄化槽を適正に使用していても1年程度経過すると、浄化槽の中に微生物の死骸や汚泥がたまり、浄化槽の働きが低下してきます。また、微生物でも100%汚物を分解できるわけではありません。これらがたまりすぎると浄化槽の機能に支障をきたし、詰まったり悪臭の原因になったりします。そこで、それらを除去する清掃が必要になります。 汚泥を槽外へ引き抜き、付属装置や機械類を洗浄したり、浄化槽の維持管理の上でとても重要な作業です。 清掃の時期は使用人員や使用状況で異なりますが、原則、1年に1〜2回は清掃を行いましょう。特に、旧式の全ばっ気型浄化槽では、少なくとも6ヶ月に1回行わなければなりません。

※浄化槽の豆知識

浄化槽清掃 「設置されている浄化槽の人槽より家族が少ない=汚れない」というわけではありません。 逆に微生物のエサ(有機物)が不足し、微生物が死んで浄化機能が失われてしまっている場合があります。人槽と家族数が合わない場合こそ、点検と清掃(浄化槽のリセット)が不可欠です。

法定検査の義務

 浄化槽を使用している方(浄化槽管理者)が適正に維持管理、正常に機能しているかを確認するため、保守点検や清掃とは別に、県が指定する検査機関による法定検査を受検することが法律で義務づけられています。(浄化槽法第7条・第11条) 法に定められていることから法定検査と呼びますが、浄化槽を使い始めて3ヶ月を経過してから5ヶ月以内に行う「第7条検査」と、その後毎年1回定期的に行う「第11条検査」があります。 この「第11条検査」は、法律で年1回の受検が義務づけられており、平成18年2月には罰則規定も設けられました。

 都道府県知事は法廷検査を受検していない浄化槽管理者に対し、法定検査の指導、助言、勧告および命令ができるようになりました。そのため、未受検者に対しては、最終的に30万以下の過料に処することが適用されることもあります。 必ず受検するようにしてください。

第7条検査(浄化槽設置後の水質検査)

 浄化槽が適正に設置され、かつ浄化槽が本来の機能を発揮しているか否かを早期(使用後3ヶ月後から5ヶ月の間)に確認する検査。

第11条検査(定期検査)

 浄化槽の保守点検、清掃が適正に実施され、浄化槽の機能が正常に維持されているかを年1回、定期的に、継続中に判断する検査です。

法定検査の内容

 
浄化槽設置後の水質検査(第7条検査)
定期検査(第11条検査)
検査の時期 使用後3ヶ月経過してから5ヶ月以内 年1年
外観検査 ・設置状況 ・設置状況
・設備の稼動状況 ・設備の稼働状況
・水の流れの状況 ・水の流れ方の状況
・使用の状況    等 ・使用の状況    等
水質検査 ・水素イオン濃度(pH) ・水素イオン濃度(pH)
・溶存酸素量(DO) ・溶存酸素量(DO)
・透視度(Tr) ・透視度(Tr)
・生物化学的酸素要求量(BOD)等 ・生物化学的酸素要求量(BOD)等
書類検査 使用開始直前に行った保守点検の記録等を参考とし、設置の適否等について検査を実施 保存されている保守点検と清掃の記録、 前回検査の記録等を参考とし、保守点検及び清掃の適否について検査を実施

※相模原市内は、財団法人 日本環境衛生センターが指定検査機関となっています。