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水が危ない!! …水源の街の下水処理の現状

私たちが見た汚水処理の現状

●浄化能力の不足による垂れ流し

 民宿で15人槽の浄化槽しかなかったが、夏のピーク時には60人程度の宿泊があった。浄化槽の能力の限界を超える汚水が流れ込んだため、バクテリアによる汚水処理の限界を超え、浄化されない汚水が放流されていた。

●浄化槽の能力が家族の実態に合わなくなったための垂れ流し

 5人家族だったが、子供が独立して夫婦二人になってしまった。5人槽の場合、5人分のし尿を処理する量のバクテリアを装備している。5人だとえさのし尿は十分にあるが2人になってしまったので、えさが足りず、バクテリアが死に絶えてしまった。そのため十分な処理がされないまま下水に流れ、においが発生した。

●送風機を止めてしまったためのトラブル

 「ばっ気式浄化槽の送風機を回すと電気代がかかる」といって電源を抜いてしまったため、微生物が弱ってしまい浄化槽としての機能をまったく果たさなくなってしまった。


●浄化槽のずさんな施工によるトラブル

  • 雨水を流す側溝に浄化槽の配水管を直結、しかも浄化槽が側溝より低かったため、放流水が逆流し浄化槽がいっぱいになって汚水がそのまま側溝にあふれ出してしまった。

  • 基礎工事を手抜きしたため、何年か経ってから浄化槽が傾いてしまい、放流水が逆流して浄化槽からあふれ出してしまった。

水源地域の浄化槽の設置状況 

 相模川流域(H19年度の調査では山梨県内のみ)では単独浄化槽と汲み取り施設合わせて8割を占めています。単独浄化槽はし尿の処理しか行わないので、生活排水はほとんど垂れ流しの状態になっています。
 また浄化槽は設置されていても、定期的な保守・点検と清掃が行われていないものも多く、し尿の処理も十分に行われているとはいえません。

※神奈川・山梨両県による「相模川水系流域環境共同調査平成19年度調査結果より (単位:基数)
市町村名
汲み取り施設
単独浄化槽
合併浄化槽
富士吉田市
1,446
5,444
1,570
都留市
967
2,666
1,359
大月市
1,538
3,487
903
上野原市
1,520
2,068
782
道志村
56
39
200
西桂町
191
192
159
忍野村
93
731
258
山中湖村
0
2,322
764
鳴沢村
35
1,692
1,294
富士河口湖町
1,558
3,459
1,057
小菅村
0
1
1
合計
7,404(19.6%)
22,101(58.4%)
8,347(22.0%)

汚水がもたらす問題

アオコの大量発生

アオコとは

主に富栄養化の進行した湖沼等に発生するミクロキスティスという植物プランクトンをアオコと呼び、これが大量に増えて、湖面は青緑色の粉をまいたような状態になります。相模湖では平成18年と23年に、津久井湖では平成18年から20年にかけて大量発生しました。しかし最近では、高度浄化槽が普及してきたことにより水質が改善され、以前のような大量発生は少なくなってきています。

アオコのもたらすトラブル

写真アオコはカビ臭の発生、浄水過程でのろ過障害などの問題を引き起こすとともに、アオコを形成するラン藻の一部が毒素を生産します。この毒素を含んだ水を飲むことによる馬や牛といった大型動物の死亡事件が世界各地で発生し、問題となっています。さらに、1996年2月ブラジルで、アオコが産生する毒の一つであるマイクロシスチンに汚染された水を透析に使用したことが原因で、透析患者50人が急性肝不全で死亡する事件が発生しました。

アオコ発生の原因

 家庭排水には窒素やリンが多く含まれています。河川等に流れ込むと河川に含まれる有機物と窒素やリンが光によって藻を形成し、アオコなどの発生の原因を作ります。窒素やリンが増え続けると、植物プランクトンが異常発生し、富栄養化が進むとともにアオコや赤潮が発生します。アオコの中にはミクロキスティスのように青酸カリの60倍の強い毒性を持つものもあるので注意が必要です。

まずい水道水

 

写真 下水処理ではBODは大体9割前後除去されますがアンモニア性窒素はほとんど除去されないまま水道原水として川に放流されます。アンモニア性窒素が水道原水に多く含まれると塩素を過剰投入しなければならず、それが発がん物質であるトリハロメタンを増やします。(塩素の投入によりトリハロメタンが発生する) またアンモニアと塩素が反応してトリクロミランと言う「水道水のまずさ」の原因物質を作ります。